Comickers: “Kazuma Kaneko”

“Kazuma Kaneko”. Comickers (Spring, 2003). pp. 8-11.


The strategy that evolves… Kazuma Kaneko

Kazuma Kaneko, born in Tokyo in 1964. Started working at Atlus in 1986. Responsible for the character design and art direction in the Shin Megami Tensei series, the Devil Summoner series and the Persona series as well as Maken X.  His latest work, Shin Megami Tensei III, is currently on sale. Recently he has expanded his field of activities as designer and illustrator. He collaborated on Anubis Zone of the Enders [Zone of the Enders: The 2nd Runner] by Konami as mecha and character designer.  He was also in charge of illustration Kouhei Kadono’s The Man in Pirate’s Island, a novel published by Kodansha. The third ‘Kazuma Kaneko’s World Exhibiton’, sponsored by the Art Collection House, has proven to be very successful. Right now, he is zealously working on his next project.


Art of Kaneko - Comickers 2進化するストラテジー・金子一馬

かねこ・かずま/1964年東京生まれ。86年株式会社アトラス入社。「真・女神転割シリース『デ凶レサマナー-Jシリース『ベルソナ」シリース瞭剣xiなどのキャラクターデザイン及びアートデfレクションを手がける。最新作「真.女神転生III」が好評発売中。最近はデザイナー、イラストレーターとじて活勘のフィールドをさらに広げている。「アヌビスZONE OF THE ENDERS」 (KONAMI)でメカ&キャラクターデザインに協カ。上遺野浩平、「海賊島事件」(講談社ノべル)の挿園を担当。「金子一馬の世界展II」 (アートコレクションハウス主催)も大好評の内に終了した。ただ今次回作を鋭意構想中。

ー制作の手順についてお伺いしたいのですが。

まずは鉛筆で紙に書いて取り込みますが、A4サイズだと細部が潰れるので大きめにトレスアップします。印刷したものを組み合わせて大きいポスターを作ったりするじゃないですか。あれみたいに何枚か取り込んで画面上でくつつけて線画として完成させます。だいたい1メートルくらいになるのもありますね。

ーそれは…データか大きそうですね。

そうですね。 100や200(メガ)は軽くあるので、Painterの場合ちょっと動かすと「もう俺ダメっス」って言われちゃいます(笑)。そこでこれをまた作業に耐えられるサイズに分割して塗っていきます。塗る時の手順としては、筆はその都度必要なサイズに調整しています。種類は水彩と油だけで難しいことは何も考えずはみ出してもいいからガシガシ描き込み。CGははみ出しても消せますし。ざっと塗った後で級密に。その辺りはアナログ画材と同じです。キャンパス自体もテクスチャ(紙質)を変えてます。 コンピューター上とはいえ、塗りムラとかも変わりますから。ただ、結局キャラクターって究極的にはアニメ調になってしまう。なので、写実的なものとの間でバランスが取れるようにしています。 マンガキャラは無駄なものが無いから、油絵みたいに立体と光源だけの技法だけで塗ってくとどうしても描きようがないんですよ。それで、あらかた塗った時点でまたくっつけてチェック。気にくわない部分は、また切り取って塗る。そしてくっつける。分創しなきゃいけない絵でもスペースを取らずに描けるっていうのがCGの一番の利点ですね。でも、エアプラシならマスキングをしなきゃいけないように、手間自体はアナログと変わりません◇

ーPhotoshopは最近は使わないんですか?

PhotoShopに関しては今は最後の色調整のみです。以前は後で加工したり色々試してましたが、それもーつの過程でした。 コンピューターで絵を描く意味というか、アイデンティティというか、他の画村でできないことをやらなければという必要性を感じて使っていたんです。最近は、コンピューターを使うけど「絵は絵である」というスタンスです。結局は他の画材とは違う仕上げの仕方をしているだけです。

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Art of Kaneko - Comickers 1ーそれだけ大きな絵をしかも Painterで描くというのは驚きでした。Painterは高性能の代わりに動作が重いですから。

他の作家さんにしてもやっぱりメ切があるとスビード重視になりますからね。僕はそんなにしょっちゆう描かなきゃいけないわけではないし、級密にいきたいので。もちろん暖味な感じでごまかすテクもあって、ちゃちゃっとやっているのにスゴイものに見える。よく見ると、あれ? とかね。それはそれでーつの技術ですけど、細かいところまで見る人もいますしo

ー最近の挿絵のお仕事もPaint甘『でやっていらつしゃるんですね。

他の作家さんはその人ならではのタッチが特徴だと思いますが、僕に求められているものは違うと・思うんですよ。キャラクター性で受けているというか。他の方はキャラクター性でいえば暖味というか、雰囲気で魅せてくれる。 でも僕が手がける必然性というのはキッチリとしたキャラ作り。キーワードが"双子" だとしたら、僕は僕の考える双子をハッキリと具現化する。それは当然他の人の考える"双子" ではありえない。暖昧なら暖昧なだけ想像の余地があるんですが、そこを残さない以上、読み手にとっての双子は"金子の考える双子"にしかなりようがない。それがダメな人もいると思いますが、それはしょうがない。むしろ好きだという人を迎えていって、もっと魅力あるものを取り込めればベストかな。 でも実際に書店で並んでみると、もう少し暖味さを出した方がいいのかもとは思います。

ーその"暖昧さ"というのは?

一言でいうと、"味"かな。デフォルメの仕方や、表現の設定感覚。人間が物を見る時って、何もかもを見てはいないんですよ。例えば背景、人物に目がいって全然見えてないかも知れない。見る側としては真っ黒と同義かもしれない。黒は黒でかっこいいけど、描く側はそこもキッチリ描き込んでるのを見てもらいたい。 ではそういう時どう処理をするか、その嘘のつき方。今までのCGっぼさもアリですが、そんな暖味さがでているものもやっていきたい。挿絵の場合ならこのタッチで、というように、モノによってある程度変えられたらと思ってるんです。言ってしまえば自分の作家性、商品としての価値ですね。ビジネス的にもゲームと関係ないもの、ある程度汎用性のあるものを提供できないといけないので。

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[illustration]

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Art of Kaneko - Comickers 4―今後の絵の方向性としては?

もっとシンプルにあつさりさせて、最終的に本質的なもので十分伝わるものにしたい。結局絵なんて描こうと思えば誰でも描けるわけで、その人が描く意義はその人なりの何かでしかない。それをデフォルメだとか作家性と呼ぶんでしょうけど、それがゴテゴテしてればいいのかというと違う。この"線"になぜこの値段が、ということもありますから。

ーそうですね、結局"テクーーックのあるなし"と"表現するべき事"って…

違いますからね、一致はしない。そこ、若い人はわかってないところありますよ。なんだよこのへたくそ、って言うけどそれがその作家の味なんだよとか。その辺りを理解、とまでいかなくても違いがあることに気付いていないと、いい絵は描けない。上手い絵ではなくてね。技術があっても仕事があるかというとそうじゃないし、上手い下手なら上野公園の似顔絵描きは上手い。 ではこの人が作家かというとそうじゃない。技術だけでは止まっちゃうんですよ。その先は自分の中にあるドロドロしたもの、アイデンティティというか。給麗なものじゃないと思います。その意味では僕はずるいですよ。ゲームがあった上で絵があるから。ゲームは文字も絵も音楽も使える。絵だけでは訴える感覚器官が少ないですから。

ー今回描き下ろしていただいたイラスト「Boxingman in redroom」について伺っていいですか?

イメージは真っ赤。赤い部屋ってあまりないので。畳まれ男と赤い部屋というところです。実はこういう仕事の機会には、連作のような形にしていきたいと企んでます。こっそり背景にキャラが写っているとかね。

ーあの…畳まれ男はなぜ鞄に?

狭いとこ入りたい願望です(笑)。半ズボンなだけにボクシングマンって呼んでますけど、ボクシングだけに"畳まれる"って感じで掛けてます。そういう連想ドラマ性って面白いかなと思って。絵の中に世界観をもってやらないと、絵の必要性自体を疑っちゃうんですよ。僕の場合。

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